コラム
小規模事業者の方へ経理業務外注のススメ
「石川や 浜の真砂は尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」
巷間伝わる盗賊、石川五右衛門の辞世の句である。
句が読まれてから400年以上を経過しているが、残念ながら石川五右衛門の推測は当たっていると言わざるを得ない。そして盗人にも色々なタイプが居るが、企業において多く見受けられるのが、経理担当者が盗人=横領犯となってしまうケースだ。
経理担当者の横領犯には私の見たところ、ある共通点がある。それは企業のおカネの管理、すなわち出納事務を 『長期間にわたって』 『(犯人)ひとりで行っていた』 というものだ。統計を取った訳ではないが、殆どのケースで当て嵌まるのではないか。
大規模な事業者では出納事務をひとりで受け持つことは、作業ボリューム上無理があるので複数人が関わることになる。そうすると横領するためには共謀したり、敢えて自分一人で作業する状況を作り出したりする必要があり、発覚のリスクが高まることから盗人が生じ辛いように思われる。裏を返すと小規模事業者で経理を1人に任せているケースは横領のリスクと隣り合わせという状況とも言える。
ではどうしたら横領のリスクを低減させられるのか?
それは経理業務を外注することが効果的である。全部外注するのが難しければ、出納業務のプロセスの一部を切り出して外注するだけでもよいだろう。
小規模な事業者ほど経理業務を外部へ委託するなんて・・と二の足を踏んでいるかもしれないが、上述のとおり、外注が効果的なのはむしろ小規模事業者の方なのである。この考えが広く普及して皆が実行することで、経理担当者による横領事件が減る、無くなることを、私は切に願っている。
幅舘 稔Minoru Habatate
ACCTソリューション事業部 マネージャー 公認会計士 事業会社在職中の2008年に公認会計士試験合格。 2011年公認会計士登録。同年EPコンサルティングサービスに入社。