コラム

2026年度法改正 準備は整っていますか!?

給与・社保・人事労務

さて、間もなく、2026年度がスタートします。人事関連の業務を行っている方は、新卒入社の準備や最終チェックに時間を要しているのではないでしょうか。

一方、近年、労働・社会保険関連の法改正は毎年のように実施されており、毎年、常に法改正の対応に追われ、しかも、その内容をしっかりと把握できない状態で次の法改正が行われてしまっているということもあるのではないでしょうか。

分からないまま対応に追われていると大きなストレスを感じることも少なくありません。そこで今回は、2026年度に施行される法改正について、どのような改正が行われるのか、その概要を見ていきたいと思います。

2026年度法改正概要、ちょっとその前に・・・

冒頭、「労働・社会保険関連の法改正は毎年のように実施され」と述べさせて頂きました。と、言うわけで、2026年度の法改正を見る前に、2025年度の法改正のポイントを振り返ってみたいと思います。

2025年度は、「育児・介護休業法」の年といっても過言ではなく、2025年4月と2025年10月の2度に渡り、育児・介護休業法の改正が行われています。改正の内容としては、以下の8つとなりますが、就業規則の改定が必要となるものもありますので、是非一度、自社の就業規則がアップデートされているか、見てみてください。

①所定外労働の制限の対象拡大、          ②育児のためのテレワーク導入の努力義務化

③子の看護休暇の見直し、             ④介護離職防止のための環境整備の義務化

⑤支給対象期間延長手続きの変更、         ⑥出生後休業支援給付金 

⑦柔軟な働き方を実現するための措置等、

⑧仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮

2026年度法改正、対象法律と改正月

さて、それでは2026年に行われる法改正について、見ていきたいと思います。ですが、本年度も多くの法改正が行われますので、ここでは、いつ、何の法律が改正となるのかということのみに触れ、その後、その中から、皆さんの業務に影響があるものを見ていきたいと思います。

2026年4月:①労働安全衛生法:高年齢労働者の労働災害防止措置

②労働施策総合推進法:治療と就業の両立を促進する措置

③女性活躍推進法:男女間賃金差異の情報公開義務の対象拡大

女性管理職比率の情報公開の義務化

えるぼし認定制度の見直し

④健康保険法:被扶養者認定の収入要件見直し

⑤健康保険法:子ども子育て支援納付金徴収開始

2026年7月:①障害者雇用促進法:障害者雇用率の引上げ

2026年10月:①労働施策総合推進法:カスタマーハラスメント対策義務化

以下では、上記の中から、2026年4月に施行されます「健康保険法:被扶養者認定の収入要件見直し」と「健康保険法:子ども子育て支援納付金徴収開始」、そして、7月の「障害者雇用促進法:障害者雇用率の引上げ」について、見ていきたいと思います。

【法改正1】健康保険法:被扶養者認定の収入要件見直し

まずは、「健康保険法:被扶養者認定の収入要件見直し」となります。これは、4月1日から適用となりますので、当然、4月1日以降に入社される方に適用されますし、また、これにより扶養になる方が出てくることもあるかと思います。

今回の改正により、従来は、認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の 収入の見込みなどから、所定外賃金の見込みを含めた今後1年間の収入見込みにより判定していたものが、「労働契約で定められた賃金から見込まれる年間収入により判断」されることとなり、ポイントとしては、以下の①~③となります。

①労働条件通知書等の労働契約の内容が確認できる書類において規定される時給・労働時間・日数等を用いて算出した年間収入の見込額が130万円未満(一定の者はその金額)である場合を想定。

②労働条件通知書等の書類上に明確な規定がなく予め金額を見込み難い時間外労働に対する賃金等は年間収入の見込額には含まない。

③労働契約に明確な規定がなく労働契約段階では時間外労働の見込みがなかったのであれば、扶養認定時点で時間外労働が発生していたとしても、当年度においては一時的な収入変動とみなし、今回の取扱いにより年間収入を判定する。

【法改正2】健康保険法:子ども子育て支援納付金徴収開始

次に、「健康保険法:子ども子育て支援納付金徴収開始」です。こちらについては、前回のコラムで詳細を記載しておりますので、是非、こちら(子ども子育て支援金って、何?|コラム|EPCS)をご確認頂ければと思います。

その上で、今一度、ポイントを簡単にお伝えさせて頂きますと、以下の通りとなります。

①2026年4月分から徴収開始

(保険料が翌月徴収の企業であれば、2026年5月から徴収開始。ただし、4月末退職者は4月給与から徴収)

②支援金額(月額)は、「標準報酬月額(標準賞与額)×支援金率(0.23%)」となり、上記の算出された金額の半額は、企業が負担。

(例:標準報酬月額47万の場合)470,000円×0.23%÷2=540円

③給与システムのアップデート、給与明細書の項目追加を2026年3月の給与計算完了後に実施することが必要。

【法改正3】障害者雇用促進法:障害者雇用率の引上げ

最後に、「障害者雇用促進法:障害者雇用率の引上げ」です。定期的に上がっている障害者雇用率が、2026年7月に0.2ポイント上昇し、2.7%となります。

これにより、現状、従業員を40人以上雇用している事業主は、1人以上の障害者の雇用が必要となっていますが、7月以降は「従業員を37.5人以上雇用している事業主は、1人以上の障害者の雇用が必要」となります。

こちらについても、先に見た2つの法改正同様にポイントをあげますと以下の3つになります。

①必要な障害者雇用数の確認

法定雇用障害者数(障害者の雇用義務数)=(常用労働者数+短時間労働者数×0.5)×障害者雇用率(2.7%)

②障害者の人数のカウント方法の確認(常用雇用、短時間、重度障害か否か)

③プライバシーに配慮した情報の把握・確認

… 厚生労働省「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」

おわりに

冒頭に触れました通り、2026年度も労働・社会保険関連の法改正が多数予定されています。当然、すぐにその詳細を理解することは難しいかと思いますので、まずはその概要から理解することが良いかと思います。

そのうえで、法改正に対応する時間がない、どのようにしたら良いのか分からないという場合には、是非、EPコンサルティングサービス/社会保険労務士法人EOSにお声がけください。皆様の状況を的確に把握し、漏れのないサポートを実施させて頂きます。

角下 梨絵Rie Sumishita

HRソリューション事業部 マネージャー 社会保険労務士 社会保険労務士試験合格後、EPコンサルティングサービスに入社。現在、事業部のマネジ メントの他、外資系企業の給与計算、社会保険及び労務管理を中心に担当

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